通所リハビリテーション経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第9表.xls」
対象:通所リハビリテーション/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 300件 / 令和4年度決算 620件 / 令和5年度決算 315件 / 令和6年度決算 315件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第9表.xls」に基づき、通所リハビリテーション1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 支出の伸びが収入の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は1.8%、支出は2.3%増加しました。 費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
- 差引の水準と余裕度。差引は115,894円/月、収入に対する比率は2.0%です。前年度比では-17.5%減少しました。 小幅な収入減や費用増で赤字化し得る水準として、余力を過大評価しないことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から縮小した。補助金を含む差引は124,519円/月で、前年度から21.7%減少しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約7%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
費用増が収入増を上回っており、差引比率2.0%はさらなる圧迫を受けるリスクがあります。収入内訳と費用費目を分けて原因を特定し、自施設との比較を優先してください。
1. 支出の伸びが収入の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は1.8%、支出は2.3%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 5,262,787 | 5,217,996 | 5,767,227 | 5,871,071 | +11.6% |
| 介護事業費用(小計) | 5,254,787 | 5,112,573 | 5,612,048 | 5,740,267 | +9.2% |
| 収支差額(差引ウ) | -15,584 | 92,411 | 140,443 | 115,894 | +843.7% |
| 収支差率(ウ) | -0.3% | 1.8% | 2.4% | 2.0% | +2.3pt |
費用増が収入増を上回っており、収支圧迫要因の費目別の特定が必要です。
2. 差引の水準と余裕度
差引は115,894円/月、収入に対する比率は2.0%です。前年度比では-17.5%減少しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | -15,584 | 92,411 | 140,443 | 115,894 |
| イ・ロ補助金計 | 41,305 | 55,493 | 18,629 | 8,625 |
| 差引(エ・補助金込み) | 25,721 | 147,904 | 159,072 | 124,519 |
| 収支差率(エ) | 0.5% | 2.8% | 2.7% | 2.1% |
小幅な収入減や費用増で赤字化し得る水準として、余力を過大評価しないことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から縮小した:補助金を含む差引は124,519円/月で、前年度から21.7%減少しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約7%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 3,479,315 | 3,835,176 | +10.2% |
| 減価償却費 | 221,173 | 207,915 | -6.0% |
| その他費用 | 1,554,299 | 1,697,175 | +9.2% |
費用構造では、給与費の伸び(+10.2%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+9.2%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は65.3%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 371,143 | 381,690 | +2.8% |
| 介護福祉士(常勤) | 355,479 | 367,379 | +3.3% |
| 介護職員(常勤) | 333,536 | 349,691 | +4.8% |
| 看護師(常勤) | 427,175 | 447,849 | +4.8% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 66.1% | 64.8% | 65.2% | 65.3% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 延べ利用者数(人) | 545.9 | 584.6 | +7.1% |
| 常勤換算職員数(人) | 9.3 | 10.3 | +10.8% |
| 利用者1人当たり収入(円) | 9,640 | 10,043 | +4.2% |
| 利用者1人当たり支出(円) | 9,669 | 9,845 | +1.8% |
通所リハビリテーションの令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は+10.8%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 5,262,787 | 5,217,996 | 5,767,227 | 5,871,071 |
| 介護事業費用(小計) | 5,254,787 | 5,112,573 | 5,612,048 | 5,740,267 |
| 収支差額(ウ) | -15,584 | 92,411 | 140,443 | 115,894 |
| 収支差率(ウ) | -0.3% | 1.8% | 2.4% | 2.0% |
| 差引(エ・補助金込み) | 25,721 | 147,904 | 159,072 | 124,519 |
| 収支差率(エ) | 0.5% | 2.8% | 2.7% | 2.1% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 3,479,315 | 3,381,932 | 3,759,551 | 3,835,176 |
| 給与費比率 | 66.1% | 64.8% | 65.2% | 65.3% |
| 減価償却費 | 221,173 | 204,135 | 203,406 | 207,915 |
| その他費用 | 1,554,299 | 1,526,506 | 1,649,091 | 1,697,175 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 4,973,435 | 4,815,836 | 5,337,548 | 5,427,111 |
| 利用者等利用料収入 | 299,648 | 381,058 | 423,539 | 432,349 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | - | 24,115 | 9,235 | 14,455 |
| イ・ロ補助金計 | 41,305 | 55,493 | 18,629 | 8,625 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 371,143 | 374,032 | 381,690 | 381,690 |
| 介護福祉士 給与費(常勤) | 355,479 | 357,127 | 367,379 | 367,379 |
| 介護職員 給与費(常勤) | 333,536 | 340,751 | 349,691 | 349,691 |
| 看護師 給与費(常勤) | 427,175 | 417,917 | 447,849 | 447,849 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 延べ利用者数(人) | 545.9 | 526.5 | 584.6 | 584.6 |
| 常勤換算職員数(人) | 9.3 | 9.0 | 10.3 | 10.3 |
| 利用者1人当たり収入(補助金除く) | 9,640 | 9,911 | 10,043 | 10,043 |
| 利用者1人当たり支出 | 9,669 | 9,736 | 9,845 | 9,845 |
| 有効回答数 | 300 | 620 | 315 | 315 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は315件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第9表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08