看護小規模多機能型居宅介護経営分析レポート
令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移
出典:厚生労働省「第22表.xls」
対象:看護小規模多機能型居宅介護/1施設・事業所当たり
単位:特記なき数値は 月額(決算額÷12)・円。比率は%。年額換算は本レポートによる×12の参考値。
有効回答数:令和3年度決算 268件 / 令和4年度決算 403件 / 令和5年度決算 404件 / 令和6年度決算 404件
エグゼクティブサマリー
本レポートは、厚生労働省「第22表.xls」に基づき、看護小規模多機能型居宅介護1施設当たりの経営指標を令和3年度決算〜令和6年度決算の4か年推移で追跡したものである。読み取れる構造は次の点に集約される。
- 収入の伸びが支出の伸びを上回った。令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は3.8%、支出は2.2%増加しました。 本業の収支改善方向は確認できますが、伸び率の差は小さく継続確認が必要です。
- 差引は相対的に安定した水準にある。差引は518,369円/月、収入に対する比率は6.5%です。前年度比では34.6%増加しました。 現時点で大きな懸念はありませんが、費用構造の変化を継続的に確認し、余力を過信しないことが重要です。
- 補助金を含む差引は前年度から拡大した。補助金を含む差引は529,410円/月で、前年度から30.1%増加しました。 本業の差引に対する補助金の規模は約2%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
収支は改善方向ですが、差引比率6.5%は厚い余力とはいえません。まず自施設の同一定義の数値と比較し、収入確保、費用増、補助金影響を分けて確認してください。
1. 収入の伸びが支出の伸びを上回った
令和5年度決算から令和6年度決算に、収入は3.8%、支出は2.2%増加しました。
| 科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 | R初→直近変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 介護事業収益(小計) | 7,509,287 | 7,725,903 | 7,629,286 | 7,915,885 | +5.4% |
| 介護事業費用(小計) | 6,929,604 | 7,151,343 | 7,041,371 | 7,189,702 | +3.8% |
| 収支差額(差引ウ) | 330,890 | 348,789 | 385,228 | 518,369 | +56.7% |
| 収支差率(ウ) | 4.4% | 4.5% | 5.0% | 6.5% | +2.1pt |
本業の収支改善方向は確認できますが、伸び率の差は小さく継続確認が必要です。
2. 差引は相対的に安定した水準にある
差引は518,369円/月、収入に対する比率は6.5%です。前年度比では34.6%増加しました。
| 指標(月額・円/%) | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 収支差額(ウ・本業) | 330,890 | 348,789 | 385,228 | 518,369 |
| イ・ロ補助金計 | 18,665 | 18,383 | 21,567 | 11,041 |
| 差引(エ・補助金込み) | 349,554 | 367,172 | 406,795 | 529,410 |
| 収支差率(エ) | 4.6% | 4.7% | 5.3% | 6.7% |
現時点で大きな懸念はありませんが、費用構造の変化を継続的に確認し、余力を過信しないことが重要です。
補助金を含む差引は前年度から拡大した:補助金を含む差引は529,410円/月で、前年度から30.1%増加しました。
本業の差引に対する補助金の規模は約2%にとどまり、比較的自立した収支構造です。恒常収益での安定性は引き続き確認してください。
3. 費用構造 ── 人件費と物価高の圧力
| 費用科目(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 給与費 | 5,097,754 | 5,305,362 | +4.1% |
| 減価償却費 | 241,325 | 276,035 | +14.4% |
| その他費用 | 1,605,102 | 1,628,057 | +1.4% |
費用構造では、給与費の伸び(+4.1%)とその他費用(委託費・水光熱等)の伸び(+1.4%)が並行して推移した。物価・エネルギー高騰が直接費用に波及した可能性に留意する必要がある。
4. 給与費が費用構造の中心
令和6年度決算の給与費比率は66.8%です。
| 常勤・1人当たり給与費(月額・円) | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 常勤換算職員1人当たり給与費(全体) | 345,021 | 370,847 | +7.5% |
| 介護福祉士(常勤) | 354,856 | 391,757 | +10.4% |
| 介護職員(常勤) | 333,266 | 368,681 | +10.6% |
| 看護師(常勤) | 437,003 | 440,132 | +0.7% |
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 給与費比率 | 67.8% | 67.8% | 68.1% | 66.8% |
単純な人件費削減ではなく、配置、稼働、加算取得、職員1人当たり指標を合わせて検討すべきです。
注意:本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
5. 規模・生産性 ── 定員・職員数に変化
| 指標 | 令和3年度決算 | 令和6年度決算 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 延べ利用者数(人) | 909.3 | 729.5 | -19.8% |
| 実利用者数(人) | 24.3 | 22.5 | -7.4% |
| 常勤換算職員数(人) | 14.3 | 13.7 | -4.2% |
| 実利用者1人当たり収入(円) | 308,958 | 353,373 | +14.4% |
| 実利用者1人当たり支出(円) | 295,366 | 330,295 | +11.8% |
看護小規模多機能型居宅介護の令和3年度決算から令和6年度決算にかけて、常勤換算職員数は-4.2%変化した。収支の変動を評価する際は、この施設規模の変化と介護報酬・補助金単価・コスト構造の変化を分けて確認する必要がある。
主要指標 一覧表(月額・1施設当たり)
| 科目 | 令和3年度決算 | 令和4年度決算 | 令和5年度決算 | 令和6年度決算 |
|---|---|---|---|---|
| 【収支】 | ||||
| 介護事業収益(小計) | 7,509,287 | 7,725,903 | 7,629,286 | 7,915,885 |
| 介護事業費用(小計) | 6,929,604 | 7,151,343 | 7,041,371 | 7,189,702 |
| 収支差額(ウ) | 330,890 | 348,789 | 385,228 | 518,369 |
| 収支差率(ウ) | 4.4% | 4.5% | 5.0% | 6.5% |
| 差引(エ・補助金込み) | 349,554 | 367,172 | 406,795 | 529,410 |
| 収支差率(エ) | 4.6% | 4.7% | 5.3% | 6.7% |
| 【費用内訳】 | ||||
| 給与費 | 5,097,754 | 5,249,007 | 5,204,698 | 5,305,362 |
| 給与費比率 | 67.8% | 67.8% | 68.1% | 66.8% |
| 減価償却費 | 241,325 | 276,708 | 287,124 | 276,035 |
| その他費用 | 1,605,102 | 1,643,084 | 1,569,981 | 1,628,057 |
| 【収益内訳】 | ||||
| 介護料収入 | 6,671,821 | 6,952,379 | 6,832,448 | 7,084,046 |
| 利用者等利用料収入 | 826,823 | 730,399 | 753,523 | 770,776 |
| 補助金収入(イ・ロ除く) | 13,804 | 47,017 | 50,027 | 66,486 |
| イ・ロ補助金計 | 18,665 | 18,383 | 21,567 | 11,041 |
| 【人件費・処遇】 | ||||
| 常勤換算職員1人当たり給与費 | 345,021 | 351,893 | 370,847 | 370,847 |
| 介護福祉士 給与費(常勤) | 354,856 | 370,012 | 391,757 | 391,757 |
| 介護職員 給与費(常勤) | 333,266 | 342,142 | 368,681 | 368,681 |
| 看護師 給与費(常勤) | 437,003 | 416,353 | 440,132 | 440,132 |
| 【規模・運営】 | ||||
| 延べ利用者数(人) | 909.3 | 736.7 | 729.5 | 729.5 |
| 実利用者数(人) | 24.3 | 23.3 | 22.5 | 22.5 |
| 常勤換算職員数(人) | 14.3 | 13.4 | 13.7 | 13.7 |
| 実利用者1人当たり収入(補助金除く) | 308,958 | 332,668 | 353,373 | 353,373 |
| 実利用者1人当たり支出 | 295,366 | 317,675 | 330,295 | 330,295 |
| 有効回答数 | 268 | 403 | 404 | 404 |
経営・政策インプリケーション
- 自施設の月額収入・支出・差引比率を同じ定義で算出し、集計平均と比較する。
- 収入の増減を介護料、利用料、補助金に分け、恒常収益の伸びを確認する。
- 給与費は削減額だけで判断せず、利用者数、職員数、加算取得、1人当たり指標と併記する。
- 単年度平均だけで結論を出さず、月次推移と施設類型・規模別比較を追加する。
注記・出典
- 本結果は回答施設の集計平均であり、個別施設の経営状態を直接示すものではありません。
- 各金額は決算額を12で除した月額で、表章単位未満の丸めにより内訳が一致しない場合があります。
- 年度間の差は要因の存在を示しますが、制度改定や人員配置などの因果関係までは特定できません。
- 最新年度の有効回答数は404件です。母集団への代表性は別途確認が必要です。
原典:厚生労働省「第22表.xls」
作成:AUL(aul-dox.jp)/本レポートは公的統計を分析・可視化した二次的著作物であり、数値の正確性は原典に依拠する。
生成日時: 2026-07-20 17:08