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日本・民間企業中心|更新 2026-07-15

障害者雇用の
「企業側 × 働く側」ギャップ

雇用人数は増えているのに、なぜ採用と定着の難しさが残るのか。企業の採用課題と、離職経験者が必要だったと答えた配慮を、公的統計で突き合わせる。

民間企業の雇用障害者数704,610人2025年・過去最高
実雇用率 / 法定雇用率2.41% / 2.50%制度上は0.09pt未達
法定雇用率達成企業46.0%半数を下回る

サマリー

雇用人数は22年連続で過去最高だが、2025年の実雇用率は法定2.5%を下回り、達成企業は46.0%にとどまる。企業側では障害種別を問わず約74〜79%が「社内に適当な仕事があるか」を主要課題としている。一方、離職経験者が挙げる必要な配慮は、能力を発揮できる配置、休みやすさ、コミュニケーション支援などに分かれる。

中心的なギャップ:企業は「任せられる仕事を見つけること」を入口にしがちだが、働く側の定着には、本人を含めて仕事・体調変動・関係性を継続調整する仕組みが必要。

企業側の採用課題

「社内に適当な仕事があるか」/2023年、複数回答

身体
77.2%
知的
79.2%
精神
74.2%
発達
76.9%

働く側の離職防止ニーズ

各障害種別の最多項目/求職者4,962人、前職について

身体
15.3%
知的
24.2%
精神
35.7%
発達
34.9%

身体:能力が発揮できる配置/知的・発達:コミュニケーション手段・支援者/精神:不調時の休みやすさ。棒はこの図内の最大値を100として表示。

ギャップの読み解き

論点
観測されたギャップ
打ち手
職務設計
企業は「仕事の有無」、働く側は「能力を発揮できる配置」
業務切り出しから、本人参加型の職務再設計へ
体調変動
企業は短時間勤務、精神障害の離職者は不調時の休みやすさ
固定時間だけでなく、当日調整・復帰手順を設計
関係性
知的・発達障害ではコミュニケーション手段・支援者が最多
指示の可視化、相談担当、上司・同僚研修を標準化
外部支援
採用時の関係機関連携は13.9〜16.0%
採用前から支援機関を職務設計・面談に接続

月額平均賃金

2023年5月、超過勤務手当を除く

身体
23.5万
知的
13.7万
精神
14.9万
発達
13.0万

平均勤続年数

2023年6月1日時点

身体
12年2月
知的
9年1月
精神
5年3月
発達
5年1月

優先アクション

  1. 採用前に職務を固定しすぎない:本人の強みと必要配慮をもとに職務を組み替える。
  2. 配慮を障害名だけで決めない:入社時・1か月・3か月・6か月で本人、上司、支援機関が見直す。
  3. 管理職の調整能力をKPI化:面談、職務変更までの日数、6か月・1年定着を追う。
  4. 処遇とキャリアを分離しない:短時間勤務や定型業務への配慮を、昇給・能力開発機会の欠如に直結させない。
  5. 外部支援を早期接続:職務設計段階から支援機関を入れる。

データと限界

  • 2025年の雇用数は障害者雇用率制度上の算定人数で、実人数とは一致しない場合がある。
  • 2023年調査は常用労働者5人以上の民営事業所から約9,400事業所を抽出し、6,406事業所が回答(67.9%)。障害種別は重複計上がある。
  • 求職者調査は離職経験者を含み、就業継続者全体より課題が強く表れる可能性がある。
  • 賃金差は労働時間、職種、雇用形態、年齢等を調整しておらず、障害種別そのものの効果とは解釈できない。

出典